ライター業の中ではインタビューが1番好きなはな(@hana8787hanae)です。
こちらのブログ記事に初めてインタビュー記事を載せます!
記念すべき1人目のインタビュー相手は、東京都内で現役助産師の整体をオープンしたあすかさん。
起業に至った経緯、整体への思いや医療職としての強みなどをお聞きしました。
楽しすぎて文章が長くなってしまったので、前編と後編の2記事に分けています。
前半のこちらの記事は、10年間の助産師経験についてです。
・お産の件数の多い病院、ハイリスク分娩を見られるところに行きたいと思い、関東の総合病院(就職先2)へ転職
・病院で働きながら整体の学校へ通う
・病院からクリニック(就職先3)へ転職し、働きながら先生へ弟子入りして整体を学ぶ。その間、ブログでモニター募集して整体の経験を積む。
・自分で部屋を借りて整体をしようと考えていたが、院長からの提案で勤務先のクリニックの枠組みの中で整体をする
・それでも自分の整体をやりたくなり、起業することを決める
2つの病院と1つのクリニックでの仕事や、その間に整体を習いに行っていたこと、起業するかどうか葛藤していたことについて伺いました。
実は、あすかさんと私(ライター:はな)は、看護学校の同級生!
同級生が医療者として専門性を発揮している姿を聞くと、私も頑張らなきゃ!とよい刺激をもらいました。あすかちゃんありがとう^^
インタビュー中の雰囲気を残すため、いつもの話し言葉で記事を書いています。
それでは、あすかさんのお話をご覧ください。
新人時代は、産婦人科小児科の混合病棟で勤務
ーーーあすかちゃん、今日はインタビューに協力してくれてありがとう。まず、簡単な自己紹介をお願いします。
2019年に現役助産師の女性専用サロンをオープンしました、あすかです。
看護学校に行って、助産学校に1年行って助産師になりました。
宮崎の病院で4年、関東へ行って2年間総合病院で、4年間クリニックで勤めて今に至ります。
ーーー関東には8年もいるんだ! 宮崎の話から聞いてもいいかな?
最初に働いていた病院は総合病院の産婦人科小児科の混合病棟で、お産は少なくて、婦人科も入ってるような病棟だったんだ。
ケモ(化学療法)とかオペ後(手術後)とかターミナル(終末期医療)とか、ゆりかごから墓場までという感じ。
生まれる人もいるし、亡くなる人もいる。
重症心身障害児とか、重度の感染症も含めていろんな患者さんを見てきたんだ。
経験はたくさんしたけど、助産師としては、4年間で34件しかお産を取ってなくて…
ーーー4年でその件数は少ないのかな?
そう。後輩が入ってきたらお産の介助は譲らないといけないし、同期が4人いたし、お産の件数がそもそも少なかったし。
内診をするのが半年ぶりなこともあるくらいで。
「私は助産師と、自信を持って言えない」と思って、出産件数が多い病院で働こうと考え関東に行ってみようと考えたんだよね。
横浜の総合病院で、助産師としての学びを積み上げ
関東に住む経験をするため、26歳で地元九州から横浜へ
ーーー多くの出産を見たいと思って関東に行ったんだ。でも、出産件数の多い宮崎県内の病院にしようとは思わなかったの?
思わなかった。九州一の街である福岡も1回住んで、病院はだいたい分かるし。次は関東で働きたいと思ったんだ。
ーーー九州にない関東の魅力は?
実家は田舎だから。田舎でしか生活したことないから、関東で生活してみようかと。
ーーー東京には、前から憧れてたよね?
そう。助産師学校は東京も受けたし。関東に住むっていう経験を自分にさせよう! と思って。当時26歳。
ーーー九州から関東に出るにしては早くはないよね。
ここで出ないと一生出ないと思ったんだ。
ーーー行動力あるね。
整体の勉強へ通ううちに、開業したいとの思いが積み重なる
ーーーなるほど。この病院では目的達成した? ハイリスクのお産介助は、たくさん経験できたのかな?
1年間で30数件。特別多くはないと思うけど、最初の病院と比べたら4倍だもんね。
ーーーここからクリニックに転職したのも理由があるのかな?
働きながら整体を勉強していたんだけど。
もともと3、4年で宮崎に帰ろうと思ってたから、関東にいるうちに勉強しようと思って。
転職した当時は、何か新しいことを学びたいと思っていて。
もともと腰が痛かったし、産婦さんや妊婦さんも腰痛で悩む人は多いし。
腰痛への知識がないから勉強しようと思って、学校に行ったんだ。
関東の病院で働きだした1年目の9月にセミナーを聞きに行って、翌年の4月から週1でスクールに通って。
病棟の師長さんに「整体を勉強したいから、毎週金曜に休みがほしい」って伝えたら、休みをくれた。
ーーー師長さん優しいね。
そうだよね。それで週1で通った。
ーーー総合病院で働きながら毎週学校に行ってたんだ。頑張ってたんだね。
病院の次にクリニックに行ったのは、勉強してたら整体をやりたくなってきたから。
でも、総合病院じゃ組織の規模が多すぎて出来ないと思って。
当時は、関東で整体を学んで経験して、宮崎に戻って開業しようと思ってたの。
で、整体するなら病院よりクリニックかなと思って転職先を探し始めたんだ。
ーーーそうなんだ。いろいろ行動してるね。やりたいけど行動に移せない人って多いのにすごい!
私の足踏み期間は長い方だと思ってたけど、思ったらすぐに行動するタイプではある。
クリニックで働きながらも、自分で整体をオープンしたいとの思いを募らせた4年間
整体をするために病院からクリニックへ転職
ーーー転職活動中に何か特別したことってある?
整体をやってる病院がいくつかあって。転職先を探すときは「もしそこに就職したら私は整体の施術ができるか」って問い合わせをして、できるって言われたから就職した。
他のとこも、私がやりたいことを病院でできるかは面接で聞いてたの。
どこも個人病院は「整体はできますよ」って感じだった。
整体を病院でやるには、もともとやっている施設で続けるか、ゼロから自分で立ち上げるか2通りあって。
ゼロから全て自分でやると、将来地元に帰りたくても帰れないなというのがあったから、もともと整体を取り入れているクリニックのほうがいいかなと。
この時は、宮崎に帰りたいと思っていたから。
ーーーそうなんだ。そして4年クリニックで働いてやめて、開業しようかと。
そうだね。
ーーー当時は宮崎に帰りたい目的があったということだけど、結局関東に残ったよね? ライフスタイルとか考えて今の場所で?
それはある。そのほか、整体をもっと本格的に学びたいのもあった。
横浜のクリニックで働いたんだけど、実際に働いてみたら、整体はできなかったんだよね…
すでにやっている人に見学をさせてほしいと頼んだけどダメと言われて…
派閥みたいなのがあったんだ(苦笑)。
就職してしばらくして院長に「整体はできないけど、ここで働いてもらえますか?」って言われた。
「マジか!」と思ったけど「とりあえず、大丈夫です」って言って仕事は続けたよ。
そのくらいの時期に行った整体の勉強会で「この人に習いたい」っていう先生が見つかったから、弟子入りしたの。
ーーー弟子入り! 言葉がかっこいいね。
弟子入りしてその先生のやり方を覚えようと思って、一定期間通うことを決めたんだ。
「整体を学ぶだけで実践できていない。なら自分でやってみよう」とモニター募集
ーーー整体の勉強はどうだった?
正社員として働きながら休みの日に整体の勉強して。
でも、自分のクリニックではさせてもらえなくて。
やりたいとウズウズするんだけど、でもクリニックではできないっていう思いと葛藤して。
そこでもうやってしまおうと思って、2016年に初めて無料のモニター募集したら、1日30人くらいしか見てないブログ経由で申し込みがあって。
そのとき初めて妊産婦さんの家で施術をさせてもらったんだよね。
ーーーとうとう整体師としてデビューしたんだ!
その後もずっとワンコインで、妊婦さんに整体をさせてもらって。
それでも私は整体をやりたくてたまらなくて。
そこで知り合いに相談したら「やったらいいじゃないですか」と言われたから、クリニックとは別に、職場の近くにマンションを借りて自分でやろうと動き出したんだ。
モニター募集だけでは物足りず、働いていたクリニックでも整体をすることに
ーーー「できないなら自分でやる」という発想、スピーディーでいい!
クリニックの人には黙って、土地勘もないのに自宅と別地域の、職場近くのマンションの仮契約までして。
その後に、院長に「このクリニックで整体ができないので、自分でマンションを借りてやろうと思ってる」って相談したの。
ーーー行動力あるなあ。
医院長に「自分でサロンを開くので、ここの患者さんを集客していいですか?」って聞いて。
そしたら「えっ! そんなことしなくていいです。場所はどうにかします。」って言ってもらえたんだ。
ーーー院長さん、優しいね。
院長に伝えたのは土曜日午前の外来終わりだったんだけど、直後に院長が動いてくれてその日の夕方に物件を見にいくことになった!
ーーーえー! 早いね。
病院の裏にマンションがあるんだけど、見に行った当日に部屋が決まって、2017年から整体をやろうと決まったの。
ーーースピード感が半端ない! びっくり!
2017年から産婦人科のクリニックで整体をやってるよ。
でも飽き足らず自分ではじめるっていうね(笑)。
今も週1で整体だけするために働いてるよ。
ーーー院長先生、優しい。いい人と出会ってよかったね。就職のときからやりたいって言ってたから、思いが伝わったんだろうな。
「自分の整体をやりたい」と正社員の助産師を辞め、個人で開業することにした
得意なことで開業している人がうらやましい。「自分の力で独立しよう」と開業への道に踏み切る
ーーー正社員として働いていたクリニックをやめて、今の場所で開業するまでに、どんな気持ちの変化があったの?
自分のやりかたで整体をしたいと思うようになったな。
クリニックで整体をやることで、妊娠の経過をよく知れたり、出産や産後まで深く関われたりすることはよかった。
健診で深く聴けないことを整体で聴くことができていたし。
でも、クリニックでも整体はできるけど、縛りがあるよね。例えば、1人あたりの施術時間が決まっていることとか。
整体だけに関して言えば、病院の中よりも自由にやりたいなと思って。
2017年の1月から病院ではじまったのに、自分でも病院とは別に出張サロンをスタートしたんだ。
副職は禁止だったから院長に許可をとって「病院に迷惑はかけないので、休みの日に外部で整体をやっていいか」って相談して月に数回施術に行っていて。
でもクリニックで働きながらだと疲れて結局やめちゃって。
ーーー助産師として夜勤をしながら勤務先以外でも整体をするって、かなりハードだよね。
でもやりたかったんだよね、1人で。
たぶん、好奇心だと思う。
開業して整体をやってる人を見ると、すごくうらやましくて嫉妬してしまってね。
自分が開業に向いてるかの確信は持てなかったけど、1回やらないと分からないから。
そのために挑戦したいと思って。
ーーーそこから開業に向けて動いたんだね。
そう。まず、サロンの場所はどこにしようと思って。
ビジネス的に考えたら病院があるエリアでやったほうがいいんだけど、私は別のやりかたがいいなと考えて。
全く土地勘もない”自由が丘”ってエリアに引っ越したんだ。
別に理由もないんだけど、自由が丘に住んでみたいって思って(笑)。
ーーーいいね。その、直感で動いてるとこ!
1回しかちゃんと行ったことなかったんだけど。笑
そんな感じで引っ越しちゃった。
ーーーあまり深く考えすぎずにポンポン動くあたりがいいと思う。
やってみたいっていうただの好奇心だよね。
自分でやってみたい、好きな働き方をしてみたい、夜勤はしたくない、みたいな、そんな感じ。
ーーー夜勤はしたくない…(多くの医療職が考えそうなことだな)。分かる! 開業場所はビジネス的には病院あるところがいいけど「自由が丘」というエリアに決めたのはなぜ?
自由が丘の人、キラキラしてるんだよね!
街にいるママたちのキレイで余裕がある雰囲気に惹かれて、この場所でサロンをやりたいと決めたよ。
不安を乗り越えたのは、自分でサロンをやりたいという情熱。ただそれだけ。
ーーー自分で道を切り開くあすかちゃんからは、迷いとか不安はあまり見えないけど、正社員をやめることへの抵抗ってあった?
かなりあったよ。
本当はもう少し早く正社員をやめて行動したかったけど、結局産婦人科で経験できたからよかった。
やはり正社員をやめるのはこわいよね。保証はないし。不安はあったよ。
ーーーその不安を乗り越えられたのはなんでだろうね?
うーん、なんだろう?
結局、やってみないとわからないし、やってダメだったらいつでも戻れるし、っていう感じ。
それが大きいかな? やらないで後悔するのもいやだから、やってみようかなって。
あの時熱く、だれかに語ってた。
「私は自分でサロンをやりたい! 私がやりたいことを我慢してクリニックに残ったって、誰も私の夢を叶えてはくれない」って。
病んでた。この先どうしようって。
でも、自分でやることに決めた。
4月に退職したんだけど、その直前の2月くらいにクリニックをやめることを伝えた。
クリニックのスタッフにはギリギリに伝えたんだ。
でも、やめるのを決めて、12月には東京に引っ越してた。笑
ーーーえ! 4月が退職予定なのにその3ヶ月以上前に引っ越し? 引っ越すの早いな!やっぱり自分から動いてるね。
引っ越したことは職場のスタッフに内緒にして、片道2時間かけてクリニックに通ってた。
他の人にバレてはならぬと思って。
ーーー頑張ったね。退職からの逃げ道を作らないあたりが、すでに起業家っぽい! クリニックのスタッフに言う前に、やめることは決めてたわけだもんね。
そうそう。今も週1で行ってはいるんだけどね。
ーーーまだ繋がりがあるのはいいね。
そうだね。病院としても、私が整体に来てくれるってのはメリットがあるよね。
助産師が整体をやってるっていうのは宣伝になるしね。
まとめ 起業する医療職は、目の前の仕事をしつつやりたいことに向かって活動している
この記事では、あすかさんが新人助産師として働き出してから起業をするまでの話をお伺いしました。
・お産の件数の多い病院、ハイリスク分娩を見られるところに行きたいと思い、関東の総合病院(就職先2)へ転職
・病院で働きながら整体の学校へ通う
・病院からクリニック(就職先3)へ転職し、働きながら先生へ弟子入りして整体を学ぶ。その間、ブログでモニター募集して整体の経験を積む。
・自分で部屋を借りて整体をしようと考えていたが、院長からの提案で勤務先のクリニックの枠組みの中で整体をする
・それでも自分の整体をやりたくなり、起業することを決める
「整体をやりたい」という思いに向けて、時間をかけながら着実に前進していて行動力があるなと思いました。
私の言葉ではうまく説明を書けませんが、このような頑張り屋の同級生がいることが私の誇りです。
記事の後半では、現役助産師整体開業にあたっての思いや医療職起業の強み・弱み、新しいことに踏み出したい方へのメッセージについて紹介します。
あすかさんの立ち上げた助産師整体micoas(ミコアス)の紹介【東京 自由が丘】
2019年からオープンしているあすかさんの助産師整体はこちらです。
妊婦さん向けのマタニティー整体、バザルストーンというホットストーンを使った妊活ケア、産後整体、妊婦でも産後でもない女性整体もあります。
最近新しいホームページを作ったそうです^^
あすかさんに施術してもらうと体が軽くなるのはもちろんなんですが、何よりも心が軽くなるんです✨
明るくて優しくて、施術中も色々お話ししてくれるし、妊娠中のちょっとした不安とかも相談にのってくれます🍀
色々なお産に立ち会っている助産師さんなので、信頼できるし妊婦さんの体の事をよく知っているから安心してお任せできます☺
そしていつも後半は寝てしまう程気持ち良い。笑引用:micoasのHPより(30代妊婦さんの感想)
初めて伺いましたが、お洒落で素敵な空間で施術を受けることが出来たので、とても癒されました。
また、あすかさんの知識が豊富で、色々お話を聞きながら施術をして頂いたので勉強になり楽しかったです。
施術をした後は、むくみがなくなり、身体もポカポカと温かくなって、翌日以降も身体の軽い状態が続いたのが印象的でした。ぜひ次回も伺いたいと思います!引用:micoasのHPより(30代産後の方の感想)
私も施術してほしいです。笑。
お近くの方はぜひ足を運んでみてください。
2017年からコツコツ更新されているアメブロはこちらです!
妊娠出産による女性の体の変化、骨盤や月経についてなど、助産師目線で解説してあります。
読みやすいブログです。